kaddish development store

2019.02.18

INTERVIEW : Kohsuke Inaba hat maker

 

 

 

 

 



 

ハットメーカー「Kohsuke Inaba」の稲葉さんとのお付き合いの始まりは、そもそもkaddishのお客様として。

Ten-CのPARKAを買って貰ってから2回目のご来店の時、稲葉さんがハット職人をやっていらっしゃると聞いて、興味を持ち、ボーラーハットを個人オーダーさせて貰いました。
そもそもの木型にないモデルを、稲葉さんにアレンジしながら作って貰ったその出来がとても気に入って、それ以来、何時か一緒にモノづくりする機会をと伺っていたのです。

今回、kaddishモデルのパナマハットを作って貰えるという事で、早速そのミーティングにと、稲葉さんの地元熊本に新しくオープンした「Kohsuke Inaba」のショールームへお邪魔しまして、「Kohsuke Inaba × kaddish」の予告編に、稲葉さんへ、ハットにまつわるあれこれを伺いました。

 

 

 

 

 

 



 



 

kaddish (K): 早速、インタビューに移らせて貰いますが、稲葉さんは何故ハット職人になろうと思ったんですか?

 

Kohsuke Inaba (K.I) : 以前から眼鏡やハット等のヴィンテージのモノには興味があったんですが、最初は職業としてのハットメーカーの世界は全然しらなくて。以前、映像の仕事をしていた時に、L.Aに行く機会があって、そこでたまたま行ったショップが、ハットショップとアトリエが一緒になっていたんです。それがめっちゃカッコイイ、ヴィンテージハットっぽくもあるけど、それだけじゃない新鮮な感じもあって、何だろうと魅力的に思えて。
帽子って、それまで全部工場で仕上げてんのかなと思ってたんですけど、そなんじゃなく、一貫して手仕事で仕上げるていう、アメリカではそんな帽子職人達がいっぱい居て、そこから帽子にハマっていったんです。
でもその時点では、まだ自分がハットを作るとは思っていなくて、L.Aとかアリゾナ、モンタナなど、その土地に根付いて帽子を作っている人達に会いに行って、最高品質のハットボディや木型とか入手できたり、偶然の出会いが、ハットメーカーとしてやっていこうかなという、一つのきっかけでしたね。

 

K : それは、どんな経緯で入手したのですか?

 

K.I : 先ず木型が無いと作れないと思って、直接ハットショップに行って言いましたね。「売ってくれるハットブロックねえか?」って。ホントに運が良くて「倉庫に眠ってるのがいっぱいあるから、見てみろ」って言われて、倉庫に行くと、もうメッチャあったんですよ。各サイズ揃ってて、その時は全部で30型くらい買って。その時に、これは仕事になると思って。
フェルトも大事じゃないですか。アメリカで作っている帽子に惚れて始めたけど、素材が違ったらチープに見えちゃう。俺が惹かれた帽子じゃないと思って。何とか入手出来ないかと、そこには拘りました。
でも大抵、現地のフェルトの工場ってインターネットじゃ探せないんで、現地の誰かの紹介で。最初は向こうも海外にフェルトを卸すことに抵抗があって、日本は厳しいねって言われてたんですけど、何回か足を運ぶうちに「じゃぁお前のトコに送ってやるよ」って言われて、そこからコネクションが生まれたというか。

 

K : 何度も現地に足を運んで、根気強く交渉していくって、随分根気がいりますよね。

 

K.I : 僕としては、どんどん導かれていったというか。帽子屋になりたいってとこからスタートしたわけじゃなくて、偶然道具が揃っていったとか、作ったものを友達に送ってスゴイ喜んでくれたりっていう積み重ねが、自然と今の方向に向かせてくれたんです。
その頃やっていた映像の仕事は忙しかったんですけど、仕事しながらも頭の中は帽子の事ばかり考えてましたね。

 

 

 



 



 

 

K : 帽子づくりの技術については、どのように身に付けていったんですか。

 

K.I : 僕の見解だと、フェルトを蒸らして柔らかくしてから型入れして縫い付けっていう、帽子作りの大まかな工程は、ハットが生まれた1800年くらいから変わっていないと思うから、当時から続く正しい技術なんて、当時の職人に訊かない限り、誰にも判らないと思うんですよ。学校に行ったわけでもないし師匠もいないから、何度もアメリカに行って製作工程を見学させて貰って、自分なりに試してみて、自分の中の正解を突き詰めていきました。
因みに、そこにある木型やハットサイザー(頭の形を計測する道具)は昔から使われているもので、今も現役です。

 

K : Kohsuke Inabaには、プロダクトは勿論ですが、イメージヴィジュアルやパッケージングにも拘りを感じます。

 

K.I :ブランドイメージのムービーや納品する際のパッケージ、ブランドロゴは、僕が好きで信頼できるデザイナーにお願いしました。そういうところの拘りは自分が映像出身だからかと言われたら、たしかにその時の経験が生きているかもしれません。
アメリカのものでハンドメイドでっていうところと、自分が作っている以上は、自分にしか作れないモノをと思っています。
帽子って自分が変身したように感じませんか?こんなのあんま被んないけど、被ってみると今までの自分と違って見える感覚が好きなんですよ。それを味わってほしいなと思って、それでいて飽きずにずっと付き合っていけるようにと思って、ビスポークのスタイルでやってますね。

 

K : ブランドとして3年目との事ですが、立ち上げ当初と現在で変化してきたことはありますか?

 

K.I : 最初のころは手探りで帽子を作っていて、完成してみないと仕上がりのイメージが付かなかったんですが、今はやっとイメージどおりに仕上げる事が出来るようになった感があります。高さやブリムの幅に合わせたリボンと素材の適正や、実際に被った時のイメージできるようになったのは、数をこなしていって出来た感覚だと思いますね。
単純に技術が上がりましたから、出来る事の幅も広がりました。製法は伝統的な技法ですが、仕上げもそのまま古い型にしてたら、ヴィンテージと変わんないから、そこは、どう今の空気に落とし込むかが大事なとこです。

 

K : 最後に一言、メッセージなどがあれば。

 

K.I : 帽子が似合わないと思っている人が多いと思うんですが、自分にピッタリとくる帽子を見付けると、今までの自分が変身する感覚を味わえるし、新しいものを見付けるウキウキした感覚を味わってもらいたいです。
(山下を向いて)一緒に帽子作りましょう!

 

 

 

 

 




 

稲葉 光亮 (イナバ コウスケ) / ハットメーカー




単身アメリカに渡り、そこで得たヴィンテージツールや技術を基に、2016年、熊本県を拠点にしたビスポークのハットメーカー「Kohsuke Inaba」を設立。伝統的製法で古典的スタイルのハットをモダンに提案している。アトリエにてオーダーメイドを請けながら、アパレルブランドやショップからの受注生産も請け負う。

https://www.instagram.com/kohsukeinaba/


 

 

 

 

 

 

 

 

phinterviewer & text : Yoshinori Yamashita


photo : Toshihiro Inaba


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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