もっとデイリーに、もっと粋にセットアップスタイルを。
ディティールが決まっている分、制服といったイメージが持たれるスーツ。
ルールがあって堅苦しいと思われる節がありますが、素材選びやスタイリング次第で、着る人のパーソナリティがダイレクトに現れる、広い海がそこにはあります。
そんなスーチングを、角度の全く違う2つのスタイルで紹介します。
1910年設立の「Emernegild Zegna (エルメネジルド・ゼニア)」はイタリアを代表する最高峰の服地ブランドとして、良質なものを知るエグゼクティブに愛されています。
WACKO MARIAが使用ているゼニアのスーパーウールは、一見しただけで違いが判るその光沢、ブラウンをベースにジャガードしたブルーの格子が、ドレープによって生まれる美しいグラデーションが特徴。
WACKO MARIAの立体的なパターンは体に吸い付くように立体的で、背中から腰に掛けて描く曲線美には、特に目を見張ります。
細かな縫製仕様も抜かりがなく、仕立ての良い、フォーマルなスーツ。
ですがそんな本物を、オープンシャツやスニーカーで崩すのもWACKO MARIA流です。
< WACKO MARIA >
BASKET PATTERN NECKTIE
OLD JOEのシグネチャーとなっているサック2ピースをレトロなプリントコーデュロイで仕立てた、kaddish別注バージョン。
地染め~抜染~プリントと手間暇を掛けて制作した素材は、ブラック/グレーの杢目が温かみのある表情に。
カバーオールとテーラードをミックスしたような仕立ては、野暮ったさとハンサムが同居しているから、ヨレヨレで着るもヨシ、タイドアップなセミドレスもヨシでしょう。
< OLD JOE >
EXCLUSIVE ARTISAN SACK TROUSER
ビシッとフォーマルに、寝グセ感覚でナードに、又はインテリな不良に。
セットアップはスタイリング次第で、どうにでも見えます。
何もドレスコードが存在する特別な場だけでなく、日々の中でテーラリングを纏ってみては如何でしょうか。
それがちょっとしたデートであれ、気の置けない友人とのお酒の席であれ、お連れの方への経緯を込めるというドレスアップの精神は、日常的に存在する筈です。
photo : Toshihiro Inaba
text: Yoshinori Yamashita