STONE ISLANDでチーフデザイナーを務めていたPAUL HARVEYが2010年にスタートしたブランド「Ten-c」。
「デザインだけ、機能だけの服の時代は終わった。本気で死ぬまで着れる服を作りたかった。」と自身が語るとおりとおり、商品の企画~生産に5年を掛けると言われています。
僕自身が初めて目にして着用した時に驚愕し感動した一人として、Ten-cが持つその特異さをご紹介します。
FABRIC
TEN-Cが独自に開発した高密度ナイロンベンタイルミリクロス。
ナイロンとポリエステルを高密度で編み立てたこの特殊生地は、通常のコットンベンタイルクロスと違い、ゴム引きのようなハリとビーバー仕立てのような起毛感を併せ持った不思議な質感で、寒さ、風、雨を完全にシャットアウトしながらも通気性があり、一拭きで汚れを落とせます。
カラーリングについては、縫製を終えて原型が仕上がった段階で色を染める、製品染めを行います。
ナイロン/ポリエステルを製品染め出来る工場は非常に少なく、日本で生産した生地を現地イタリアに空輸し、縮率を計算しながら130℃以上の高温で染め上げてます。
この気の遠くなる工程を経て、デニムのように経年を楽しめる素材が生まれます。
そして見た目の重厚感に反して着心地が軽い事も付け加えておかなければなりません。
FITTING , DEATAL
ゆったりとしていても洗練されたスマートなフィッティングは、アウトドアに適したスペックを持ちながら都市の着用に馴染みます。
ダウンライナーを取り外して、シーズンを問わず着用することも可能。
ヴィンテージミリタリーを徹底的に掘り下げた、マニアックなステッチワークと釦や金具等のパーツにも男心をくすぐられるのです。
ANORAK BLUE GRAY (W/DOWN LINER)
ANORAK CHARCOAL (W/DOWN LINER)
The PARKA CHARCOAL (W/DOWN LINER)
< Ten-c>
photo : Toshihiro Inaba
text: Yoshinori Yamashita