写真の、それも自分自身の撮ったモノについて語ることは非常に難度の高い試みですが
ここは一度恥を捨てて書いてみようと思います。
過去撮影してきたアーカイブから、山下が最初に目を留めた写真。
具象というにはあまりにボンヤリとしたモチーフは、わかりやすい結果ではなく想像のきっかけ。
写真を撮るという行為は、ただ一度シャッターを切るということではない。
時間の流れの中から”ソレ”を切り出して、今一度プリントのフレーム上にそれを整頓し、納める。
セレクトの流れに沿うように、過去のアーカイブを思い出や時間軸からも切り離し、今一度撮影し直す。
過去支持してきた写真家の言葉で頭から離れないものがある。
「良い写真はダイブできるんだよ」
ポスターと呼ぶには贅沢すぎる紙に定着されたこれらは、扉にも穴にもなり得るのだ。
TOSHIHIRO INABA ORIGINAL PRINT
photo/text: Toshihiro Inaba