30度越えが続くここ数日
万年冷え性の私は、冷房のきいた部屋から外に出ると自然解凍のような、氷が周りから解けるように熱が入っていく感覚がある。
熱が浸透する感覚、このイメージを持つことが私の日常にはもうひとつある。
CONTAX G2 Sonnar 45mm F2/Provia100f
冷凍庫に貯蔵したフィルムを取り出す時だ。
フィルムはゼラチンでできた支持体の中に、感光乳剤を含んでいて、それが光に反応することで像になる。
つまりフィルムは生物で、使用期限もあれば劣化もする。このご時世知らない方も多いかもしれない。
なのでそう言った劣化をもたらす反応を避けるために、日々写真を撮る連中は冷凍庫のスペースがフィルムに侵されていることもしばしばである。
さて、そうして保管しておいたフィルムを取り出して“さぁ撮るぞ“と行かないのが面倒なところで
今度は常温に戻してやらねば、フィルムは本来の性能を発揮しない。
しかも一気に戻してしまうと、内部で結露し困ったことになる、ひじょーに気難しいやつなのだ。
夏場の暑い日差しの中に、クーラーガンガンの室内から飛び出して、なんとも言えない感覚になる度に、そんなどうでも良いことを思い出している7月末だった。
稲葉