「僕って意外と背高いんだな」
昨日夕飯を買うのにコンビニまで行った帰り
仕事帰りのマンションの住人たちと、エレベーターで一緒になった。
くたびれたサラリーマン、茶髪のお姉さん
若いカップル。
僕の身長は173cmで、特筆して背が高いわけではないし、逆にある程度の歳になってから自分のことを背が低いと思ったこともない。
でもエレベーターの中で僕は一番背が高かった。
Leica DⅢ sonnetar 50mm F1.1/scara160
自分で自分のことはよくわからないし、すぐに忘れる。
自分にまつわるものは人に確かめたこともないくせに“当たり前“の一括りにしがちだ。
「僕がみているものと、あなたの見ているものは正確には同じじゃない」と言ったとして
ほとんどの人がそりゃそうだという顔をすることだろう。
そんな話にも登らないくらい、自分の目線は当たり前すぎるものだ。
ある程度の歳になって身長が止まれば、毎日見ているその景色に、違和感など感じる方が不自然と言えばそれはそうなのだ。
僕は写真が好きだから
俗にいう日常を撮ることは自然に増える。
でもそれは僕の、173cmの高さのアイレベルから見える日常だ。
そういう事を忘れてしまうと、見えないものが増えていくような気がした。
稲葉