ここ数年毎年、下手をすると半年単位でフィルムの値段は上がり続けている。
国内最大手の富士フイルムすらも取り揃えているフィルムのバリエーションは減っていく一方だ。
近年”映え”な流行にあやかって、多少フィルムカメラ市場が賑わっているという向きの報道も耳にはしたが
結局の所大幅なフィルム消費量アップにはつながって居ないということなのでしょう。
これはフィルム愛好家としては悲しいというレベルの問題ではなく危機です。
デジタルの事後処理と違い、フィルムカメラの場合はその写りの大きな部分をフィルム自体の持ち味が占めます。
よって長年連れ添った相棒のようなフィルムがなくなってしまえば、作家生命にすら関わりかねない。
時代の流れとは言え、作り続けて欲しい、というか困る。
後輩の家でもらってきた120のScala
モノクロ写真をメインとして撮っている自分にとって
このScalaというフィルムとの出会いは大きなモノでした。
今では選べるほどの種類すら残っていない貴重なモノクロポジフィルム。
高コントラスト、高シャープ。
出てくる絵がいいんですよ。
以前も載せたような…気のせいかな。
この鉄が鉄と分かる感じ、もちろんレンズの味との兼ね合いはあるけれど
それまで使っていたフィルムにはなかった感動でした。
先に載せた120のフィルムは既に生産終了品。
今では中判でScalaを使うことはできないわけです、早く生まれればよかった、ホントに。
2002年に期限の切れたこのフィルムも当然使えないでしょうし、そもそも現像できるのかも不明。
こういうフィルムがあったのだと思い返す置物として部屋に置いておきます。
稲葉