様々な写真雑誌が廃刊していく2020年代にあって
今月新たに創刊した写真誌『写真』。
現代のコミュニケーションツール化した写真と逆行するかのごとく
その物質性と可能性の幅を追い続けている作家、横田大輔が初回の特集である。
プロヴォークに代表される「アレ、ブレ、ボケ」の時代から半世紀あまり
写真をあえて荒れさせ、ブレさせ、ボケさせることでその抽象度の拡大を狙った先人達のフォーマットは
”スタイル”としてPhotoshopのプリセットへと内包されつつあるのかもしれない。
では現代において写真が真に写真らしく振る舞うには何をすべきなのか。
写真にできることの限界はもう見えてしまっているのだろうか。
『写真』そのあまりにストレートな言葉の持つ意味を、紙の媒体の中から問い直そうとしている。
稲葉