PIPLINE ICELAND/ALASKA 石塚元太良
アラスカとアイスランドを縦断するパイプラインをラージフォーマットのカメラを用いて撮影した写真集である。
一般的にランドスケープジャンルに分類される写真だが、自分にとってはまた違う印象がある写真集だ。
アイスランドの荒廃した大地や雪原、荘厳な山々をパイプラインは横断し、分断し、繋いでいる。
撮影フォーマットがいかに大きく、レンズがどれだけ広い画角を持っていても
あまりにも広い風景と、とてつもなく長いラインは画面の中に収まる事はなく画角を分断し、写真の中に”手前と奥” ”右と左”を作り出す。
人々の暮らしを支える為に石油や水、牛乳を運ぶそのラインは、もはや人が住めない土地にすら張り巡らされている。
銀色のパイプは写真の中で、人々の営みを想起させながら横たわっているのだ。
稲葉