kaddish development store

2019.10.09

今日のオマケ

 

 

 

 

 

長男の国語の成績が極端に悪く妻が頭を抱えているから、テストの答案用紙に目を通してみると、これが分かりやすく僕は活字に触れてませーんという回答で、担任の指摘どおり明らかに文章を読む力がない。

親として不安だ。

「読解力が無いのだから例文を頭に叩き込むまで繰り返し読むべきで、分からない漢字や文章に引っ掛かかり時間が掛かるのは読書経験の積み重ねの問題だから、要するにお前は1冊でも多くの読書をした方が良い。オレの見立てでは文章をスラスラと読めるようになるだけで、もう30点とれるぞ。よーく考えてみろ、数学の95点を100点にもっていく努力より、国語の29点を59点にする方が簡単じゃないか、あっという間に総合平均以上になって、スマホが買って貰えるじゃないか。」

そう諭すと息子の目に光が宿り「オレに本を与えてくれ」。

イヤ、本なんて親にススメられるものじゃなく自ら選び取って、それでも最初から自分にハマるものに出会うわけがなく、ある日突然パックリとチャクラが開くように夢中になる作品が向こうからやって来るものなのだ。

誰かに面白い本を与えてもらう、その発想が国語29点という今日の結果を及ぼしたのだ。

大体ホントの読書家なんてクラスに一人いればいい方で、オレなんか高校時代、ジャン・コクトーを途中で閉じて「デビルマン」読んでたから。

とはいうもののカワイイ息子を突き放すワケなく、それがひとつのきっかけとなるなら入り口は照らしてやるべきだろう、と本棚を漁ってみた。

妻が池井戸潤の本を読ませようとしたが、メガバンクの悪徳上司に対峙するバブル世代のサラリーマン物語に、中一男子が興味を持つわけがない。

そんなんじゃなく、同世代が主人公の一人称口語体で、長編じゃなくて、思春期真っ只中の中一男子が共感しそうな本が、そういえばあった。

あらゆる青春文学の基本構造となる反骨と冒険と性があって、不器用で笑えてロマンチストでキュンとする作品が。

それは若い時分に、文学も包括したカウンターカルチャーの水先案内人でもあったモノ。

そういうわけで、息子の読書が「大谷翔平名言集」から村上龍の「Sixty Nine」に代わりました。

 

 

 

山下

 

 

 

 

 

https://kaddish.jp/blog/13339

BRAND

JOURNAL