僕の場合、音楽を聴くことと、音楽配信を聴くことは違うという話。
出勤前に30分ほどレコードを漁りに行ったのが久しぶりの事だったのは、アップルミュージックのながら聴きが日常化して、音楽にお金を払わなくなったからだ。
音楽配信に触れて、僕は新しいものへの裾野が広がったけど、それはSNSやネットサーフィンと同等のモノで、深い滋養のあるリスニング体験とは言い難い。
それはそれで楽しいが、僕は楽しみのために音楽を聴いてない。
楽しみは、カラオケやフェスやゲーム等と代替え可能なモノで、僕はもっと切実に知識欲として音楽を求めている。
音楽が政治や社会や歴史の先生で、自慢できるほどではないけど少なからず教養を得て、物事を考えることの契機にしてきたし、又、聴くという行為自体がクリエイティブで、明らかに感受性を拡張する喜びを得てきた。
僕にとって音楽は、文化としての強度がファッションよりも高い。
だから今後もアップルミュージックと並行するにしろ、オーディオと対峙して、ライナーノーツを読みながら、音楽を聴くことにする。
音楽も音楽好きな僕も、サヴァイヴしないとね。
山下