洋服屋の商いを畳んでから10年ほど疎遠だった知り合いと再会してみると、昔と印象が変わっていた。
現役だった頃は僕から見ても「センスが抜身の刀のように剥き出し」だったその人が、一般の会社に勤めて「ファッションカルチャーに重きをおいてない人達」と接しているウチに、自分の意識が変わっていったという。
玄人受けなアンテナを張って武装した挙句、現実のライフスタイルとのギャップに窮屈な思いをしていた自分に気付いたというその人に、以前に無いしなやかさと余白を感じた。
当時、最後は色々あって、お互いに良い印象を持たず疎遠になったように思う。
その人が新たに始めるという商売が興味深くて、お店を訪ねたいと思った。
山下