とても世話になっている先輩が居る。
多感な時期にバブルの空気に触れているせいか、先輩はとにかく元気がいい。
そして腹が立つほど男前だ。
イイ車とイイ服、遊びが金を生む、を地で行く。
当然ウチでの買い物もエグい。
パイセン、それと似たヤツ去年買いました。
そんなパイセンがハマっているショーパブが、また強烈だ。
タイやフィリピンから出稼ぎに来た、メンテナンスがバッキバキのレディボーイ達と、お国柄なのかそこまでのメンテが出来ない、ずんぐりむっくりな邦人ホストの、鮮やかなコントラスト。
蛍光色のスポットライト、ラメの衣装と大きな羽、胸元にねじ込むチップ。
「テクマクマヤコンテクマクマヤコン、ミンナオカマニナ~レ!」の文句とともに、次々と抜かれるシャンパン(パイセンはレディボーイのシャンパンコールを絶対断らない)。
遠慮や体裁、又は駆け引きという概念が崩壊したような、度を越えて下品な会話(僕らの股間に触れながら)。
己のコンデション次第だが、確かに笑える。
いつもありがとうございます、でもねパイセン、ショータイム3連チャンは正直キツイっす。
そんなパイセンが御贔屓にしているビューティフルなレディボーイが、近く帰国するらしく、ショーパブへの来店頻度はすこぶる高くなる。
お弁当を作って食べさせてくれるらしいから、デキてるのか?という疑念が拭えない。
来年はファーストクラスと超高級ホテルを予約して、レディボーイの故郷をアテンドして貰うと楽しそうに話すパイセンに、最大級のリスペクトと親愛の念を込めて、僕は言いたい。
もうタイ人になってしまえと。
山下