大人になって、紙があって画材があって、なんでも好きなものを描きなさいと言われて、さて何を描きます?
僕なら多分、家族や友人の顔?昔描いていた漫画の主人公?なんでもいいけど、きっとどこかで見た絵のような絵を描くことになる。
稲葉は油絵を始める時、親に「~風な絵だけは描くな」と言われたらしい。
つまりは、だいたいの人は絵を描くといっても、なにを描くか、どう描いていいかわからない。
それを分かった上で田上さんの作品を見ると、絵を描くという事が分かる気がします。
きっと、たくさんのイメージと、たくさんの描き方が、ご本人から溢れ出して仕方がないんだ。
kaddishにあるのは、ピカソのを優に超す多作らしい田上さんの作品の、ほんの片鱗だけど、それが伝わってくると思います。
山下