午前、子供達と蝉取りをしてスイカを食べて笑いながら、彼等に、このイノセントな時がいつまで続くのだろうと思う。
僕達は夏休みがいつか終わる事を知っている。
世界は美しいものばかりじゃない。
子供達がその事を、いつか身をもって知る時、夏休みは終わり二度と戻って来ない。
ヒッピー達が愛と革命を信じた60年代が終焉を迎える1971年にBEACH BOYS「SURF’S UP」はリリースされた。
バロックや教会音楽、50年代のドゥー・ワップがプログレッシブに混然としたトラックの中で、文明の崩壊と新しい潮流を示唆する詩を、ブライアンウィルソンが壊れそうなファルセットで歌う表題曲。
そこには、彼らが信じたあのSUMMER OF LOVEが崩壊する、寂寥感が込められているのかもしれない。
「君はまだ眠っているの、ブラザー・ジョン?」
夏休みが永遠に終わらなければいいのに。
Beach Boys / Surf’s Up
山下