ヴィンセント・ギャロがポール・サイモンの息子とユニット名義で、20年以上ぶりにこっそり新譜をリリースしてびっくり。
相変わらず音数少ないヴィンテージ楽器をバックと、チェット・ベイカーを更に女々しくしたようなヴォーカルに、御大は「バッファロー66」のあの姿のまま、今も膝を抱えてバスタブに佇んでいるのだと感じる。
そのように2000年頭から音楽的アップデートがないも等しいのに、プーマ・ブルー等を通過した現代の耳だとそれが今風に聴こえて、宅録オルタナ・ジャズブルースの元祖はギャロ先生なのかもと納得した次第です。
サブスクやSNS等の宣伝一切なし、音質からジャケの仕様からスリーブの近影まで、ギャロ先生のコントロール・フリークでナルシスティックな世界が健在で、しびれました。
butterfly / the music of butterfly
山下